藤本によるSF生活ギャグ漫画。
1969から1996年の死去時まで執筆が行われ、1300以上の短編漫画と、17の長編漫画が描かれた。
『ドラえもん』は1969年の連載開始当初から藤本単独作。「大山のぶ代の料理本のカバー」「ファンにその場で頼まれた色紙」等で安孫子がドラえもんの絵を描いたことはあるが、漫画作品には関わっていない。
昭和時代から裏付けのない噂話が拡散した結果、一時期は公式書籍等にも記されたが、長年疑問視されていた眉唾情報であり、2010年代に完全にデマ認定された。
1975年に「9月3日」という誕生日の設定がアシスタントの誕生日をもとに決められたが、その際に末尾2桁に同じ数値をあてはめることで身長も決められたというのが真相。小4の平均身長が参考にされたとすれば「2」の箇所のみ(139.3では高すぎ、119.3では低すぎるだろうという程度)。
書籍『ドラカルト』の離れたページに掲載された2つの情報「ドラえもんの身長は小4の平均身長から決めたらしい(デマ認定済)」と「当初の着ぐるみショーのドラえもんが巨大すぎるという作者からのクレーム(のちに着ぐるみはやや小さいものに改良)」が混同され、いつの間にか合体して「心あたたまるいい話」として書籍、記事、解説等に記されるようになったものであり、平均身長由来がデマである以上、当然ながらこれもデマである。幼年版のドラえもんはのび太と同程度の身長で、目の位置はのび太より上。
公式サイトの「てんコミ探偵団」では、てんとう虫コミックス内の複数の記述を根拠に「12歳」という年齢を導き出しているが、これはあくまでも謎本的考察遊びで公式設定ではない。
そもそも『ドラえもん』の各話は「全話に共通する設定」で描かれているわけでは必ずしもなく、のび太の年齢も固定されていない(雑誌では各雑誌の読者の学年。てんとう虫コミックスでは年齢をぼかしており、ぼかせなかった箇所のみ「小4」「10歳」等になるように記載)ため、異なる話の設定を総合しても正しい数値が導き出せるとは限らない。
全国こども電話相談室への出演記事によると、ラジオ番組にてドラえもんの年齢を質問された藤本は「う〜ん、困ったなぁ!」と明確な返答をしていない(つまり、明確に即答可能な年齢の設定はこの時点では決められていない)。記事の末尾には「宿題になったこの問の答えは、ズバリ! 10歳なのだ」とあるが、あくまでもこの記事限りの情報であり、この年齢が2025年現在まで公式設定として広く使用された痕跡はない。
この名称は、方倉陽二『ドラえもん百科』の中でラジオDJ役のドラえもんがコロコロ読者の少年に向かって言ったジョーク(「のび太の世話をしていること」を漢字の羅列で表してカッコつけたもの)。
スピンオフ漫画内のその場限りのギャグとして楽しむ類のものである。
ファンが書いた二次創作小説の内容がネットで流布して誤解されたもの。
「交通事故にあって長年昏睡状態だったのび太の夢だった」という無根拠の都市伝説が広まったもの。藤本が雑誌でコメントを発表して全面否定した。
漫画連載時はその雑誌が発行された時代が舞台(昭和45年〜平成8年)。最新の流行も多く登場する(ファミコン、高層マンションに住む友達など)。
アニメの新作回は、2025年放送分ならば2025年が舞台。
「ヒントにしたのはこの作品」と藤本が語っていたそうだが(NU57p22ジャンクハンター吉田氏)、だからといって
ふしぎな道具 | 夏への扉 |
---|---|
未来の少年 | 夏への扉 |
猫モチーフのキャラクター | 夏への扉 |
ドラえもんの造形 | 夏への扉 |
タイムマシン | 夏への扉 |
と、各要素のネタ元すべてが『夏への扉』だと考えるのは誤り。
そもそも、『ドラえもん』の構想は、前作『ウメ星デンカ』が壺の中からふしぎな道具を出すところが好評だったため、そこに焦点をあてた新作をというところからスタートしているし、未来世界はその前の長期連載の『21エモン』ですでに描かれている。
ふしぎな道具 | ウメ星デンカ(『ベレーのしんちゃん』等にも登場) |
---|---|
未来の少年 | 21エモン |
猫モチーフのキャラクター | 「オバQでは犬が活躍したので今度は猫で」「猫のノミ取り名人」という藤本の証言もある |
ドラえもんの造形 | 猫+ポロンちゃん(モンガー要素も) |
タイムマシン | デビュー間もない『四万年漂流』から何度も描いている |
上図のように、『夏への扉』がなくてもほとんどの要素は説明がつくのである。漫画『ドラえもん誕生』には脚色も多分に含まれているが、ポロンちゃんの話等は事実だと考えられ、あくまでも『夏への扉』については触れられていないというだけのことである。藤本は『夏への扉』を必読の書として人に薦めていたそうなので、『ドラえもん誕生』内で紹介して読者を増やしたい思いもあったろうが、内容的に低年齢の読者には薦めにくいという面もあったのではないだろうか(猫モチーフが『夏への扉』由来かどうかについては諸説ある)。
『夏への扉』を大いにヒントにしたと思われる要素として「結婚相手を変更するために奮闘する」というものがあるが、この要素(ジャイ子が将来の結婚相手だということを嫌がる話)は初期に2話描かれたのみなので、作品全体の根幹にある要素ではない。
『夏への扉』の日本翻訳は1958年なので、藤本はその頃から多かれ少なかれ『夏への扉』に影響を受けていることは確実だが、『ドラえもん』が直接全面的な影響を受けているかといえばそうでもなく、確実なのは「部分的にヒントにしている」程度である。
「ツモリガン」でドラえもんがのび太より早くツモリガンを撃つ描写があることから広がったデマ。この場面はのび太が油断していたと考えるのが自然。作品『ドラえもん』において「ドラえもんはのび太よりも早撃ちが得意」という設定はない。