共同権利

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藤子・F・不二雄藤子不二雄Ⓐが共に権利を保有すること。

1988年のFA独立(コンビ漫画家からソロ漫画家への移行)に伴い新しく生まれた概念で、共同権利となった過去作品はFとAの双方に印税が入る。

合作は権利とは無関係の用語で、共同権利作品をほぼ内包する(『新オバQ』『わかとの』『パーマン(1960s)』等、合作だが共同権利作品ではない作品も多数存在する)。

なお、コンビ活動時代は全収入を折半していたため、共同権利作品、単独権利作品という概念や区分け自体が存在しない。

よみ】きょうどうけんり

目次
    1. 共同権利作品を表す用語の変遷
    2. 共同権利作品一覧
      1. 単行本表題作
      2. 連載(上記以外)
      3. 別冊付録(中編)
      4. 短編その他
      5. 「藤子論」のリストで共同権利作品とされているもの
    3. デマや誤情報
      1. 「『バラとゆびわ』はF単独作品」はデマ
藤子不二雄の「合作」は「権利」とは無関係

共同権利作品を表す用語の変遷

1988年以降の短期間のみ「合作」が用いられ、その後「共作」→「共著」と、公式書籍等で使用される単語が変遷している。

1988年のFA独立以降の短期間のみ、公式書籍のリスト等で共同権利作品のことを表す際に「合作」という単語が使われたが、コンビ時代から長年使われていた「合作」は制作上の合作を表すため、「合作」という単語が2つの意味を持つことになってしまい混乱が生じた(『わかとの』は2人で描いた合作だが、共同権利作品ではない等)。

そこで共同権利作品を表す用語としての「合作」は廃止され、代わりに「共作」が用いられるようになったが、そもそも「共作=合作」と誤解する人も多く、誤解と混乱は収まらなかった。

ほどなく「共作」は「共著」と記されるようになり現在に至る(「共同著作物」と記されることもある)。ただし、「共著=合作」という誤解は相変わらず蔓延している。

本サイトでは誤解と混乱を避けるためこれらの単語は基本的に用いず、「共同権利作品」という語句を用いる。

共同権利作品一覧

「共同権利作品」とされているであろう作品を下に記す。

主に漫画、絵物語等のみ。イラスト、文章主体の作品の多くは割愛。

特記がない限り全作品を「藤子不二雄」名義で発表。

Fの森の歩き方」(以下「F歩」)初版と、「@ll藤子不二雄Ⓐ」(以下「allA」)初版の巻末の作品リストに「共著」とされている場合にセルに「1」を記入した。「F歩」のリストで「共著」扱いになっていない場合でも、月報での訂正やF大全集収録巻等で「共著」の記載があるものは「1」を記入した。

さらなる詳細は表の下に記す。

単行本表題作

#G# 作品名 F
all
A
備考
1 1 天使の玉ちゃん 1 1 「あびこもとお・ふじもとひろし」名義で発表。
2 2 UTOPIA 最後の世界大戦 1 1 「足塚不二雄」名義で発表。
3 3 海の王子 1 1
4 4 オバケのQ太郎 1 1
5 5 チンタラ神ちゃん 1 1
6 6 仙べえ 1 1

連載(上記以外)

#G# 作品名 F
all
A
備考
7 1 四万年漂流 1 1 「足塚不二雄」名義で発表。
8 2 漫画図鑑 0 0 新漫画党合作。藤子論には記載があるが、F歩には作品名の記載がなく、allAには★マークなし。おそらく単なる記載漏れ。
9 3 光にあたれ陽にあたれ 1 1
10 4 タップタップのぼうけん 1 1
11 5 タトルくんのぼうけん 0 1 F歩には★マークなし。
12 6 たんていタップタップ 0 1 F歩には★マークなし。
13 7 タップタップの世界めぐり 0 1 F歩には★マークなし。
14 8 かせいのたまちゃん 1 1
15 9 星の子ガン 1 1
16 10 銀星少年 1 1
17 11 名犬タンタン 1 1
18 12 ベレーのしんちゃん 1 0 allAには作品名の記載がないが記載漏れだと思われる。F大全集収録巻には共同権利である旨の記載がないが、記載漏れだと思われる。ネームを安孫子と藤本の両人が月替りで担当し、作画もキャラごとに分担した完全合作。
19 13 ジロキチ 1 1
20 14 オバケのP子日記 0 1 F歩には★マークがないが、記載漏れだと思われる。
21 15 オバQオトボケ戯評 0 0 F歩には★マークがなく、allAには作品名の記載がないが、この年代のオバQはすべて共同権利となっていると考えられる(オトボケ戯評には安孫子執筆回もあるし、安孫子がまったく執筆していない幼年版オバQも共同権利となっている)ため記載漏れと判断。

別冊付録(中編)

#G# 作品名 F
all
A
備考
22 1 三人きょうだいとにんげん砲弾 1 1 「足塚不二雄」名義で発表。
23 2 バラとゆびわ 1 1 F歩には★マークがなく、F大全集収録巻にも共同権利である旨の記載がないが、F大全集の他の巻の月報に共同権利作品である旨の訂正が掲載された。
24 3 少年カメラ探偵 カメラは見ていた 0 1 F歩には作品名の記載がないが、記載漏れだと思われる。藤本がネームと表紙作画、安孫子が本編作画を担当。
25 4 星の子カロル 1 1 F歩には★マークがないが、F大全集収録巻には共同権利である旨の記載あり。中盤までは『ロケットくん』(安孫子担当作)と類似した展開。
26 5 恐怖のウラン島 1 1 F歩には★マークがないが、F大全集収録巻には共同権利である旨の記載あり。安孫子がネームと表紙作画、藤本が本編作画を担当。

短編その他

#G# 作品名 F
all
A
備考
27 1 西部のどこかで 1 1 「足塚不二雄」名義で発表。
28 2 旋風都市 1 1
29 3 宇宙鉱脈 1 0 allAには作品名の記載なし。
30 4 大平原児 0 1 F歩には作品名の記載なし。
31 5 一米四方の冒険 1 1
32 6 海抜六千米の恐怖 1 1
33 7 お化け退治 1 1
34 8 十字架上の英雄 1 1
35 9 ねらわれた地球 1 1
36 10 漫画百科 0 0 新漫画党合作。藤子論には記載があるが、F歩には作品名の記載がなく、allAには★マークなし。おそらく単なる記載漏れ。
37 11 白さぎ城物語 1 1
38 12 なかないさぶちゃん 0 1 F歩には作品名の記載なし。
39 13 きょぞうジャンバ 1 1
40 14 あきおくん火星へ行く 0 1 F歩には★マークなし。
41 15 ノアはかせのロケット 1 1
42 16 正義の味方 1 1
43 17 Qちゃんと正ちゃんのオバケ大会 1 1
44 18 ウルトラB そのとき三発! 1 0 allAには★マークなしだがおそらく単なる記載漏れだと思われる。
45 19 ギャハハ三銃士 1 1
46 20 世界めい作全集 1 1
47 21 こんにちは! みなさん そのごのオバケのQ太郎 1 1
48 22 のらくろよ永遠に 1 0 allAには★マークなしだがおそらく単なる記載漏れ。

「漫画図鑑」はF歩とallAのどちらにも記載がないが、公式に共同権利作品扱いになっていることが濃厚だと判断し上記リストに追加した。

この他、『風魔黒馬隊』(1956)は「藤子まんがヒーロー全員集合」20刷等で共同権利作品扱いとなっているが作品の詳細は不明。

『オハゲのKK太郎』等、オバQ関連の短い作品は上記の他にも多数あり、「藤子不二雄論」(以下「藤子論」)のリストには掲載されているがここでは割愛した。

「藤子論」のリストで共同権利作品とされているもの

「藤子論」巻末の作品リストでは、上記の他に『シネラマメガネ』『少年ブルーバ』『イソップまんがかん』『西洋の金太郎』等が「共著」欄に記されている。

ただし、「藤子論」は藤子自身や藤子の会社が関わった書籍ではなく、巻末のリストはリスト作成者が「未単行本化作品はリスト作成者が目で見て判断」したものであるため、公式に発表された共同権利作品ではない。また、同リストには多数の誤りが存在する。

デマや誤情報

「『バラとゆびわ』はF単独作品」はデマ

『バラとゆびわ』は「トキワ荘パワー!」(2010)に「藤子・F・不二雄」単独名義作品として収録され、F大全集「初期少女・幼年作品集」(2011)に共同権利作品である旨の注釈がない状態で収録されたが、その後すぐF大全集の月報(挟み込みの付録)にて「Aとの共著」である旨の訂正が掲載され、それ以降は共同権利作品として扱われている。

なぜこのようなことが起こったのか。ビッグ・コロタン「藤子まんがヒーロー全員集合」はFA独立後に改訂され、巻末の作品リストには「どちらの権利になったかを表すマーク」が付記されているが、『バラとゆびわ』には丸Fマークが付いている。これを見た出版社が、Fの単独権利だと勘違いして手続きを勧めた結果2010–2011年の出版に至ったが、これは誤植だったのではという説が有力である。実際に、このリストには他にも誤植が複数ある。

『バラとゆびわ』は藤本がメインで執筆した作品だが、安孫子も多くの部分を手掛けており、ラストシーンはのちに『怪物くん』の最終回にも取り入れられている。


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